Classici giapponesi con furigana
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かげろうざ
陽炎座
泉 鏡花
Leggi 陽炎座 (かげろうざ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.381 caratteri · 67 schermate
」
「はいはい、いいえ、貴下、子供が出たらめに致しますので、取留めはございませんよ。何の事でございますか、私どもは一向に分りません。それでも稽古だの何のと申して、それは騒ぎでございましてね、はい、はい、はい。」
で手を揉み手を揉み、正面には顔を上げずに、ひょこひょこして言う。この古女房は、くたびれた藍色の半纏に、茶の着もので、紺足袋に雪駄穿で居たのである。
「馬鹿にしやがれ。へッ、」
と唐突に毒を吐いたは、立睡りで居た頬被りで、弥蔵の肱を、ぐいぐいと懐中から、八ツ当りに突掛けながら、
「人、面白くもねえ、貴方様お掛け遊ばせが聞いて呆れら。おはいはい、襟許に着きやがって、へッ。俺の方が初手ッから立ってるんだ。衣類に脚が生えやしめえし……草臥れるんなら、こっちが前だい。服装で価値づけをしやがって、畜生め。ああ、人間下りたくはねえもんだ。」
古女房は聞かない振で、ちょこちょこと走って退いた。一体、縁台まで持添えて、どこから出て来たのか、それは知らない。そうして引返したのは町の方。
そこに、先刻の編笠目深な新粉細工が、出岬に霞んだ捨小舟という形ちで、寂寞としてまだ一人居る。