Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.786 caratteri · 278 schermate
このくらいの努力で分ったのは、むしろ多謝しなければならないと思った。しかしそれからまた、僕らは二度も車から降ろされて、路頭に迷った。先に来たのが北山御房のわきの蕪村と呉春の墓のあるという土地だった。それがまた田圃の道を迂回して、すこし、町らしい四ツ辻を出て来ると、大きな鳥居があって、そこで運転手はもういちど訊いて見ようという。
その間にT君が、往来の者をつかまえてウインド越しに何か云っていたと思うと、
「さあ、降りた降りた」
と、いやに元気づいている。尾いて行ってみると、なんのことだ。自動車を止めた鳥居の下から二十歩もない所の四ツ角に、盲でもわかるような碑が立っているのだった。「宮本吉岡決闘ノ地」と碑面には深く彫ってある。
未発見の遺跡でも突きとめたというならよいが、こうありありと前人が碑まで建ててあったとなると、探し廻って来た顔がその前ですこし間が悪くなる。
しかしとうとう夜になって、草臥れ儲けで帰るのかと悲観していた程なので、欣しかったことはいうまでもない。そこの地点はちょうどまた、自分が文献の中で想像していたような三本道の追分の角であったことも、何となく欣しかった。