Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.786 caratteri · 278 schermate
居宅に望む心なしという言葉だの、心常に兵法の道を離れずという言葉だの、彼が座右の自戒とした「独行道」の箇条を見ても、彼の生活がどこに帰着をおいていたか窺い知るに充分である。
細川藩の客分となって、千葉城址の高爽な住居に、余生を送る身となっても、武蔵のこの生活態度には、少しの変りもなかったのである。いやそうなればなる程、彼は青年時代からの氷雪の修行や、山野の漂泊を顧みて、身を畏れていたことと考えられる。
加うるに、老後、細川家の恩寵の厚きを思い、死に際しては国君の名代として、枕頭に慇懃の使者を賜わることも幾度とあっては、いよいよ彼は恐懼して冥加に感涙したであろう。君公藩臣、知己朋友すべて孤独な客心から観れば、一人として恩人でない者はないという気もちもわいたことであろう。そういう人々の手に依って、厚く葬られる死後の身を考えると、武蔵の謙譲な気もちは、ただただ勿体ないことと思い、自己の柩を金碧の霊壇に上し、諸士の拝を受けることは、そのいわれもないし、固く辞退したいとも心に願ったのではあるまいか。で、日頃親しい年下の春山に向って、
「わしが死んだら、わしの柩は、御身とよく腰かけて禅話をやったあの石の上にでも乗せてお身が引導をわたしてくれればそれで結構だ。