Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Leggi 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.947 caratteri · 114 schermate
けれど私は歴史家ではないのだから、新史料の導きに拠らないでも、独自の史観と空想を力に文芸の火を頼りとして、その史林の闇へも、入ろうとすれば入ってゆける。心ぼそいことなどちっともない。読者と共にだからである。だがこれは、さきに平ノ清盛を書いたときにもなめた経験であるが、尊氏などを描いてゆくと、きっと旧観念の尊氏を過信している人などからは相当つよい風あたりが来やしないかと思っている。正成の人となりやらその神格化を人間として描いたばあいなどでも、同様な反撥が予想されよう。だからといって、いつまでも、日本歴史中の胴ナカのような部分を、みんなが、あいまいもことしておいてよいわけでもあるまい。とにかく、手をつけ出せば、それを機縁として、ほかの作家もまたさまざまな意図の下に同時代の素材に手を染め出そう。そして自然それが、国民全体の考慮や関心になって来れば、国民的思判も生じ、専攻の史学家諸氏も、一ばいの研究をこれにそそぐ動機ともなってくるかもしれない。ただしばらくは、私のごとき空想児の逍遥を笑って見ていていただきたいと希うのである。
まだ小説の方は一字も書かないうちから、ここでいってしまうのも率直すぎて他愛ないが、逆賊尊氏も、忠臣楠公も、私には、えこもひいきも全くない。