Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かりさかごえ

雁坂越

幸田 露伴

Leggi 雁坂越 (かりさかごえ) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.263 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

までは十里近くもある路を、夜にかかって食物の準備も無いのに、足ごしらえも無しで雪の中を行こうとは怜悧のようでも真実に児童だ、わたしが行き合って止めでもしなかったらどんな事になったか知れやしない、思い出しても怖しい事だと仰ゃったよ。そればかりじゃあ無い、奉公をしようと云ったって請人というものが無けりゃあ堅い良い家じゃあ置いてくれやしないし、他人ばかりの中へ出りゃあ、この児はこういう訳のものだから愍然だと思ってくれる人だって有りゃあしない。だから他郷へ出て苦労をするにしても、それそれの道順を踏まなければ、ただあっちこっちでこづき廻されて無駄に苦しい思をするばかり、そのうちにあ碌で無い智慧の方が付きがちのものだから、まあまあ無暗に広い世間へ出たって好いことは無い、源さんも辛いだろうがもう少し辛棒していてくれれば、そのうちにあどうかしてあげるつもりだと吾家の母さんがお話しだった事は、あの時の後にもわたしが話したからおまえだって知りきっているはずじゃあ無いかエ。それだのにまだおまえは隙さえありゃあ無鉄砲なことをしようとお思いのかエ。」

と年齢は同じほどでも女だけにませたことを云ったが、その言葉の端々にもこの女の怜悧で、そしてこの児を育てている母の、分別の賢い女であるということも現れた。