Classici giapponesi con furigana
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かりさかごえ
雁坂越
幸田 露伴
Leggi 雁坂越 (かりさかごえ) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.263 caratteri · 28 schermate
そうするとこれを聞いたこなたの汚い衣服の少年は、その眼鼻立の悪く無い割には無愛想で薄淋しい顔に、いささか冷笑うような笑を現わした。唱の主はこんな事を知ろうようは無いから、すぐと続いて、
誰に負われて摘んで取ろ。
と唄い終ったが、末の摘んで取ろの一句だけにはこちらの少年も声を合わせて弥次馬と出掛けたので、歌の主は吃驚してこちらを透かして視たらしく、やがて笑いを帯びた大きな声で、
「源三さんだよ、憎らしい。」
と誰に云ったのだか分らない語を出しながら、いかにも蓮葉に圃から出離れて、そして振り返って手招ぎをして、
「源三さんだって云えば、お浪さん。早く出てお出でなネ。ホホわたし達が居るものだから羞しがって、はにかんでいるの。ホホホ、なおおかしいよこの人は。」
と揶揄ったのは十八九のどこと無く嫌味な女であった。
源三は一向頓着無く、
「何云ってるんだ、世話焼め。」
と口の中で云い棄てて、またさっさと行き過ぎようとする。圃の中からは一番最初の歌の声が、
「何だネお近さん、源三さんに託けて遊んでサ。わたしやお前はお浪さんの世話を焼かずと用さえすればいいのだあネ。サアこっちへ来てもっとお採りよ。