Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
ほかのものがなくならなかったことは不幸中の幸いだが、しかし浜子がいつ帰らぬともしれない。そうなればやっぱり荷物をあずかっているものの責任として、弁償もしなくてはなるまいと思うと、また安江の肩の荷が重くなることを思って、暗たんとなった。それにしても浜子はどうなっているだろう。新聞には、命はとりとめると出ていたが、それと同じ日に浜子の荷物が消えてなくなったことはいんねん話めいていて、むなさわぎさえした。かなあみやしゃもじなど、奇妙な置きみやげをしていったのも不思議などろぼうだと音枝は思う。
ベルが二つに区切って鳴った。安江たちらしい。
「早かったのね。」
どうだった? という目つきで、暑さに顔をしかめながら帯をといている安江に、音枝はうちわの風をおくりながら、
「ほら、男の子はおとうさんをあおぐんだよ。」
と、夏樹に命令した。そして小さな声で、
「大丈夫だったの。」
「うん、それがね、おかしな話さ。人ちがいなんだよ。」
「ええっ。」
「同姓同名なんだよ。そういえば、新聞にははま子と出てたろう。まあよかったというようなものの――」
心配はまた元通りになったというのだろう。