Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

おしゃく

雛妓

岡本 かの子

Leggi 雛妓 (おしゃく) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.482 caratteri · 53 schermate

Aozora Bunko

暗くならないまえ、雛妓は、これから帰って急いでお風呂に行き、お夜食を済してお座敷のかかるのを待つのだと告げたので、逸作はなにがしかの祝儀包を与え、車を呼んで乗せてやった。

わたくしたちは、それから息子の部屋へデッサンの描きさしを見に行った。モデルに石膏の彫像を据えて息子は研究所の夏休みの間、自宅で美術学校の受験準備の実技の練習を継続しているのであった。電灯を捻ねって、

「ここのところは形が違ってら、こう直せよ」

逸作が消しパンで無雑作に画の線を消しにかかると、息子はその手に取り付いて、

「あ、あ、だめだよ、だめだよ、お父さんみたいにそう無闇に消しちゃ」

消させぬと言う、消すと言う。肉親の教師と生徒の間に他愛もない腕づくの教育が始まる。

わたくしはこれを世にも美しいものと眺めた。

それから、十日経っても二十日経っても雛妓は来ない。わたくしは雛妓が、商売女に相応しからぬ考えを起したのを抱え主に見破られでもして、わたくしの家との間を塞がれてでもいるのではないかと心配し始めた。わたくしは逸作に訴えるように言った。

「結局、あの娘を、ああいう社会へは永く置いとけませんね」