Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Leggi 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.414 caratteri · 289 schermate

Aozora Bunko

そしてその時には岸山先生というその名前さえ母には問わなかった。

新来の若い医者は三日ほどたってまた診察に来た。竜子は母の枕元で話をしながらシュウクリイムを一口頬張った所なので、次の間へ逃出して口のはたと指先とをふいた後静に元の座に立戻った。医者は母に向って食慾の有無とまた咳嗽が出るか否かを簡単にきいたばかりで、脈搏も見ず体温も計らず、また患者の胸に聴診器を当てても見なかった。そして携えて来た鞄から処方箋を取出して処方を認めるとそのままだまって座を立った。竜子は老った桑島先生の診察がいつもいやになるほど念入れであったのに引くらべて、岸山先生の診察ぶりのこれはまたあまり簡単過ぎるのに少し頼りないような気もして、女中と一緒に玄関まで送り出した後母の枕元に坐るが否や、

「おかア様、今度の先生はどこも見ないんですね。あれでいいんでしょうか。」というと母は別に重い病気ではない唯風邪を引いたばかりだからあれでいいのでしょうと答えて、安心している様子に竜子もそれなり何もきかなかった。もともと竜子は年とった桑島先生を深く信用している訳ではなかった。唯経験を積んだ御世辞のいい開業医に過ぎない事を知っていたので、新来の岸山先生の簡単な診察ぶりと愛想気のない態度についてはかえって学者にふさわしいような気もした所から、その後病気に