Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Leggi 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.414 caratteri · 289 schermate
貸間はきまったか。」
「あの、溜池の家ねえ。実はきめたんだけれど、階下の人が新聞社へ出る人だっていうから止したのよ。今日も一日さがし歩いたけれど電話の使える貸間はなかなかないわね。」
「この近処なら、ここの家の電話で呼出しがきくよ。己が迎いに行ってやるから。」
「じゃ、そうしようか知ら。わたし、もうそういう事にきめるわ。千代子さん、まだなかなか帰りそうもないこと?」
「実は昨日の昼出たッきりなんだ。間違いでもあったんじゃないかと心配しているんだよ。電話のある処は大概きいて見たんだが、そこにはいないんだ。以前飯田町にいた荒木の婆さんの家へも電話をかけたが、どうしても通じないんだ。今は四谷にいるんだからね。実はこれから行って見ようかと思っていたところさ。」
玉子は久しく婆さんの家へ出入りをしないから、今度また出先を周旋してもらうために、重吉と一緒に行きたいと言出した。
本村町の堀端から左へ曲って、小さな住宅ばかり立ちつづく薄暗い横町をあちこちと曲って行く中、重吉も一、二度来たことがあるばかりなので、その時目じるしにして置いた郵便箱を見失うと、道をきくべき酒屋も煙草屋もないので、迷い迷って遂に津ノ守阪の中途に出てしまった。