Classici giapponesi con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Leggi 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.414 caratteri · 289 schermate
「鮫やのおじさん。」と踊子たちは呼んでいるが、丼飯をつくる仕出屋で鮫屋などという家は、六区の興行町にも、公園外の入谷町や千束町の裏路地にもないそうだ。一体このオペラ館のみならず、この土地の興行場へ出入をする食物屋には、その種類によってそれぞれ顔のきいた親分のようなものがあって、営業権を占有しているという事なので、見たところ、この爺さんにはまだそんな権利がありそうにも思われない。とすると、この年になっても、どこぞの親分に使われているその日ぐらしの出前持に過ぎないのであろう。惣菜付の丼一つの価は楽屋の様子から考えて二十銭より以上のはずはない。その幾割かを貰って、爺さんは老後の余命をつないでいるのであろう。
鮫屋の爺さんは初めに註文された丼を二階の踊子と三階の青年部へ、一ツ一ツ配って歩く中、おくれて後から註文される物をまたしても岡持へ入れよちよちと退儀らしい足取りで持運んで来る。その時分には初夏の長い日もそろそろたそがれかけて、興行町の燈影がそこら中一帯に輝き初める頃になるのである。
二階の部屋の踊子は一しきり揃って一人残らず舞台へ出て行き、踊ったり跳ねたり歌ったり。