Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ゆきとどろ
雪と泥
山本 周五郎
Leggi 雪と泥 (ゆきとどろ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.993 caratteri · 40 schermate
「あのときはたち昏みですもの、お酒に酔うのとは違いますわ」
おしのは浮き浮きと飲んだ。折之助に凭れかかって盃をさしたり、急に手を握ったりした。そうかと思うとふいに黙りこみ、眉をひそめて溜息をついたりした。酒や肴を運んで来るのは、まだ十三四の小女で、座敷へは入らず、廊下から障子を少しあけ、持って来た物を押入れるとすぐに去るのであるが、そのたびに、おしのは神経質なくらいすばやく、折之助から身を放したり坐り直したりした。――こんなことは初めてであった。これまでは側へ寄ったこともなく、こんなにあまえた口をきいたこともない。下町育ちらしいさばけたふうではあるが、立ち居も言葉つきもしっとりとおちついていた。
――なにかわけがあるのだな。
すっかり戸惑いをしながら、折之助はしだいに強くそう思いだした。
「暗くなったね、灯を入れて貰おうか」
「いいえもう少し」おしのは首を振りながら、あまえた鼻声で云った、「酔っているから、あかりがつくと恥ずかしい、――ね、お手を抱かせて」
「今日はどうかしているね、なにかわけがあるらしいが、話してしまわないか」
「――いや、もっとあとで」