Classici giapponesi con furigana
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ゆきのうえのしも
雪の上の霜
山本 周五郎
Leggi 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.586 caratteri · 50 schermate
に代って貰うつもりです」
伊兵衛は眼をみはった。青岳は続けた。
「こう云えばもう察しがつくと思うが、そして、たぶん御異存はあるまいと思うが、娘の千草を娶って戴きたいのです」
こんどは伊兵衛は首を傾げた。なにか聞き違えたかと思ったらしいが、すぐにその意味がわかり、うっといって坐り直した。
「お嬢さんを私に、娶れと仰しゃるのですか」
「そうです、初めからそのつもりで、お世話させて来たのです、千草はもちろん承知のうえですし、貴方も、黙って世話をおさせになったようすでは、ほぼ納得されていたことと思う」青岳は初めて柔和な顔になった、「――というわけで、家中の者とはなるべく折合ってゆくように、殊に岩野家は、次席ながら藩の名門で、この道場が扶持を戴くについては、たいへん岩野氏の尽力を得ているのですから、今後はそこをよく考えたうえで」
「お待ち下さい、どうかちょっと」
伊兵衛が片手をあげて遮った。彼の顔は赤くなり、その眼には怒りと、悲しみと、恥ずかしさのいり混った複雑な光りが漲り、しかもぜんたいとしてはべそをかくような表情になった。
「いろいろお話をうかがいましたけれども、まことに僭越でございますけれども、また、申し訳のないところもございますけれども、私は御意見に添うわけにはまいりません」