Classici giapponesi con furigana
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ゆきやなぎ
雪柳
泉 鏡花
Leggi 雪柳 (ゆきやなぎ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.054 caratteri · 90 schermate
喝! ああ驚いた。掛けものめ。
「あっ! ははは。」
いきなり、男のように笑いかけて、
「驚かそう思うて、わざと、こっそりと上って来たぞに。心易立てや。ようこそに、ようこそに、こんな処まで、嬉しいこっちゃ。や、もう洞斎兄の事や、何の事や、すぎ去った。そんな挨拶はさらりとおくこっちゃ、にい。縁あればこそ、生あればこそ、北と南と、何十年分れたものが訪いつ訪われつ、やぞに。それに、そういう行儀は何じゃ、袴はいたり、膝にお手々をちゃんとついたり、早や、その手をぬいと伸ばいて、盃を持つ格好に、のう。」
人に口は利かせない。被布から皺びた腕を伸ばして、目八分に、猪口をあげる指形で、
「何とかいうたに、それ、それ、乾盃、あれに限るぞに、いい事じゃ。洞斎兄は沢山は飲まなんだけれど、島田髷の妹は少し飲るがやぞ。これでもに、古馴染や、遠慮はない。それにどこへ来なされた思うて、そのように堅うして。……花柳界、看板を出した待合や。さ膝を崩いて、楽にござって、尼かてこの年、男も同然、胡坐を掻いても人は沙汰せん。それに袴はいとるぞに。」
また高笑いで、
「……そこで念のため云うておくがですが、内証話をあけすけなが、あんたも世間が解っておいでや。