Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきやなぎ

雪柳

泉 鏡花

Leggi 雪柳 (ゆきやなぎ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.054 caratteri · 90 schermate

Aozora Bunko

あたりに人ッ子一人なし、雨はしきる、相合傘で。

「――いよいよ道行です、何でしたっけ……

さらば最期のかねての覚悟。

女肌には緋のかたびらに、上は単衣の藍紺縞よ………………

でしたかね。」

という時、ふと見ると、おでん屋の燈でも、町通りでも気がつかなかった。暗夜の幻影、麻布銀座のあかりがさすか、その藍と紺の横縞の、お召……ですか、その単衣に、繻子ではないでしょうが、黒の織物に、さつきの柳の葉が絡ったような織出しの優しい帯をしめている。

――生霊か、死霊か、ここでその姿が消えるのではないかと、聞いている筆者は思った。さきに「近世怪談録」を見ているほどだから、その浅草新堀の西福寺うらの若侍とおなじく、横路地で冷たい手、といった時、もう片手きかないほどに氷ったのではないか、と危んだくらいであった。

「……やさしい、すずしい帯でした。

女肌には緋のかたびらに……

が、それが、なよなよとした白縮緬、青味がかった水浅黄の蹴出しが見える、緋鹿子で年が少いと――お七の処、磴が急で、ちらりと搦むのが、目につくと、踵をくびった白足袋で、庭下駄を穿いていました。」

――筆者はその時、二人の酒席の艶かな卓子台の上に、水浅黄の褄を雪なす足袋に掛けて、片裾庭下駄を揚げた姿を見、且つ傘の雫の杯洗にこぼるる音を聞いた。