Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆきやなぎ

雪柳

泉 鏡花

Leggi 雪柳 (ゆきやなぎ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.054 caratteri · 90 schermate

Aozora Bunko

」

黒い瓶、いやその信玄袋を、ひしと掴んで、

「に、それやもんの、あだ果報な、牡めは、宿業として、それだけお冬に思われておった、自から夫の病人にその気が通ずる、に、に。それやよってじゃ、相合傘で送って出て、一本松にも居らぬとすりゃ、雨の中を、いつまでも、どこへどう行くもんや、つもっても知れておる。……知れるよってに、お孝が半狂乱じや、松の辺には居らぬと見て、駈けずり歩行いて、捜しまわった、脛の泥の、はねだらけで、や、お仏壇の前に、寝しなのお勤行をしておった尼の膝に抱きついた。これがや、はや、に、小猫が身を揉むように、

――助けて下さい、お媼さん――

と、いいか、

――私は畜生になります――

とじゃに。」

ただ引伏せた練絹に似た、死んだようなお冬の姿が、撓うばかりに揺れたのであります。

「私も、わけをきいて、う、五寸の焼釘を、ここの肝へ刺されたぞ。――畜生になります――とお孝がいうた一言じゃ。」

「どうしたんです。お孝さんが何をいったんだ。」

「言うか、言おうか。」

「ええ、可厭な息を掛けるない、何だ。」

「聞くか、聞くか。また、聞かさいで、おかりょうか。おのれら二人は、いい事にして、もと友だちの、うつくしい女房、たかが待合の阿媽。