Classici giapponesi con furigana
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うんなんしゅびへい
雲南守備兵
木村 荘十
Leggi 雲南守備兵 (うんなんしゅびへい) di 木村 荘十 (きむらそうじゅう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.859 caratteri · 76 schermate
春生は、両手で兄の顔をさぐり、荒れた骨ばかりの指先で頬を撫でて見た。
「兄さんはどうして隊へ帰らないの?」
「俺は兵隊が厭になったのさ」
春生は、ぎょッとして黙り込んだ。そして暫くすると叫ぶように云った。
「嘘だ……いやになったなんて……兄さんはきっとあたいの為に……兄さんッ」
弟は、兄の服を掴んでゆすぶった。
「兄さんは、脱走しちゃあいけない……折角……出世したのに……折角……兄さんでも捕まれば殺される……あたいは知ってるんだ……兄さんにそんな事をさせる位なら……あたいは死んだ方がいいんだ……兄さん」
春生は濡れた頬を兄の胸にこすりつけて云った。
「ほ、ほんとうはね、兄さん……ほんとうは鉱山を追い出される時、あたいは云われたんだ(どうも此奴はもう長くはないから)って……あたいなんかどうなったって……兄さんッ……兄さんは偉くなってお母さんを……」
「春生ッ」
孫永才はそのいじらしさにもう何も云えなかった。まして、その手で殺すどころではない。
“こんな歳でもう自分の死ぬ時のことを考えている。こんな歳で……”
彼はいきなり春生をかき抱き、犇と縋りつく弟と長い間慟哭していた。