Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ほしみせ

露肆

泉 鏡花

Leggi 露肆 (ほしみせ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.973 caratteri · 32 schermate

Aozora Bunko

こんな時は、時々ばったりと往来が途絶えて、その時々、対合った居附の店の電燈瓦斯の晃々とした中に、小僧の形や、帳場の主人、火鉢の前の女房などが、絵草子の裏、硝子の中、中でも鮮麗なのは、軒に飾った紅入友染の影に、くっきりと顕れる。

露店は茫として霧に沈む。

たちまち、ふらふらと黒い影が往来へ湧いて出る。その姿が、毛氈の赤い色、毛布の青い色、風呂敷の黄色いの、寂しい媼さんの鼠色まで、フト判然と凄い星の下に、漆のような夜の中に、淡い彩して顕れると、商人連はワヤワヤと動き出して、牛鍋の唐紅も、飜然と揺ぎ、おでん屋の屋台もかッと気競が出て、白気濃やかに狼煙を揚げる。翼の鈍い、大きな蝙蝠のように地摺に飛んで所を定めぬ、煎豆屋の荷に、糸のような火花が走って、

「豆や、煎豆、煎立豆や、柔い豆や。」

と高らかに冴えて、思いもつかぬ遠くの辻のあたりに聞える。

また一時、がやがやと口上があちこちにはじまるのである。

が、次第に引潮が早くなって、――やっと柵にかかった海草のように、土方の手に引摺られた古股引を、はずすまじとて、媼さんが曲った腰をむずむずと動かして、溝の上へ膝を摺出す、その効なく……博多の帯を引掴みながら、素見を追懸けた亭主が、値が出来ないで舌打をして引返す……煙草入に引懸っただぼ鯊を、鳥の毛の采配で釣ろうと構えて