Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおきのしゅっきょう

青木の出京

菊池 寛

Leggi 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.513 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

青木が、クラスの中で最も多く原書を買い込む事実からいっても、彼がその時まで給与されていた学資は、かなり豊富であったらしかった。

「じゃ、学資が来なくなったわけなんだね」と、雄吉は、この場合にもっと適当した言葉がほかにあると思いながら、とうとうこんな平凡なことをいってしまった。青木は、雄吉の質問をいかにもくだらないといったように、

「まあ! そんなわけさ」と、いったまま黙ってしまった。

センチメンタルで、ロマンチックで、感激家であった雄吉が、突然青木の身の上に振りかかった危難を知って、極度に感激したのは、むろんのことであった。彼は、どんなことがあっても、青木を救ってやらねばならぬと思った。雄吉にとって、青木を救う唯一の手段は、やっぱり、今自分が世話になっている近藤家の金力に、すがるよりほかはなかった。雄吉は、そう考えると、その日学校から帰ると、自分が家庭教師兼書生といったような役回りをしている近藤家の主人に、涙を流さんばかりに青木の救済を頼んだ。

「本当に、その男は天才なんです、教授連が、すっかり舌を巻いているのです。後来きっと日本の学界に独歩するほどの大哲学者になりそうです」