Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.550 caratteri · 27 schermate

Aozora Bunko

加代姫は、瞬かない凄いような美しい眼で顎十郎の顔を見かえしながら、

「それで、わたしに、なにを言えというの」

顎十郎は、閉口たれて、

「やア、どうも弱った。さっきからおなじような押し問答。……金をやるのはいいとして、来いといえばあんな下司ばったところへ出かけて行かれたのは、どういう因縁によることなのか、それをお話くださいと申しているのです」

「それは、言われませぬ」

「あなたが、ひと殺しの汚名をきても」

「それは、もう覚悟しております」

「加代姫さま、あなたもずいぶん強情だ。権式高いということは、かねて噂にきいておりましたが、これほど堂に入っているとは思わなかった。……それほどまでのお覚悟でしたら、このうえお願いもうしても無駄。あきらめて引きとりますが、最後に、ひとこと申しあげたいことがあります」

「…………」

「あなたには意外なことかも知れませんが、六平が死んだというのは嘘で、虫の息ながら、まだ息が通っているんです。舌が爛れてものを言うことも出来ませんし、無筆だから字で書くことも出来ないから、ほかの人間では手におえないが、手前だけはそいつにものを言わせる方法を知っている。