Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.904 caratteri · 28 schermate
少々じれ気味になって、売子を出している江戸中の鮨屋へ一軒のこらず下ッ引を走らせ、店にある割り箸をそっくり引きあげて持って来させる。いやもう、たいへんな数。御用部屋の中は割り箸だらけになって三人の坐るところもない始末。
さすがのひょろ松も、うんざりして、
「こいつアいけねえ。これをいちいち調べていたら来年の正月までかかる。……ねえ、阿古十郎さん、どうでもこいつをみなやっつけるンですか」
とど助も、あきれて、
「朋友のよしみですばってん、割り箸と引っくんで討死もしましょうが、こりゃとうぶん割り箸の夢で魘されまっしょう」
下ッ引どもはおもしろがって、ワイワイ言いながら手つだう。九ツごろから始めて日暮ちかくまでせっせと調べたが、割り箸の山はまだ三分の一も片づかない。
日ごろあまりものに動じない顎十郎もさすがにうんざりしてきたと見えて、何百本目かの割り箸をさいて辻占を読んでいたが、
「……※(歌記号、1-3-28)人目の関のあるゆえに、ほんに二人はままならぬ……か、これは、くだらない」
と、呟いて、辻占を畳の上になげだし、
「どうも、こいつはいけなかったな。こんどばかりは味噌をつけた。