Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.904 caratteri · 28 schermate
すると、割り箸のほうでもなかったらしい。となると、こりゃアやっぱり神隠し。いや、どうもお騒がせしてすまなかった」
と、わけのわからぬことをブツブツ言いながら、とど助をうながして御用部屋を出て行く。ひょろ松は、追いすがって、
「……阿古十郎さん、あなたはすっ恍けの名人ですが、きょうのは、またいつもの伝なんでしょう」
顎十郎は、ヘラヘラ笑って、
「まずまずそのへんのところだ。お前がむこう見ずに鮨売の総渫いなんぞしたもんだから、どうにも後手がつづかなくなった。こんな大騒ぎをすりゃアどうしたってむこうが怯気づいて引っこんでしまう。引っこまれてはこちらが大きに迷惑。なんのつもりでこんなことを始めたのか、また、四人の娘がどこに押し匿われているのか、今までの段取りではまるっきりあたりがつかねえ。いま御用部屋であんな馬鹿をして見せたのは、しょせん、むこうを安心させて誘いだし、是が非でも、せめてもう一遍やってもらうつもり」
ひょろ松は、仔細らしくうなずいて、
「辻占のはいった割り箸は、なにも鮨屋にかぎったことじゃない。割り箸に曰くがあるというンなら、鮨屋の箸を割って見ただけでおさまりのつく道理はない。