Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.604 caratteri · 28 schermate
「なるほど比丘尼の人別にないわけだ。……叔父上、これは、お化けですぜ。見てみると、草履の裏に泥がついていないが、お化けなら、それくらいのことはやらかしましょう。……こういうのが冥土の好みなのかも知れねえ、いやはや、おっかねえね」
と、例によって、わけのわからぬことをいう。
庄兵衛はそしらぬ顔をして顎十郎がつぶやくのをきいていたが、急になにか思い当ったように、うしろに引きそっているひょろ松の耳に口をあててささやく。
ひょろ松は、蚊とんぼのようにひょろ長い上身をかがめて一礼すると、きびすをかえして一ツ橋のほうへいっさんに駈け出して行った。
顎十郎は、へへら笑いをし、
「……叔父上、どうしようてえのです。……いくら追いかけたって、相手がお化けじゃ追いつけるはずがねえ。無駄だからおよしなさい。……比丘尼の土左衛門なんざ、おかげがねえでさ。ほったらかして置くにかぎります」
庄兵衛は、威丈高になって、
「えッ、うるさい! 貴様などになにがわかる。……貴様はよもや気がつかなかったろうが、あれは、死体にわざわざ衣を着せて堀の中に投込んだものだわ。その証拠に、すこしも水を飲んでおらん」