Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.819 caratteri · 26 schermate
アコ長、とうとう音をあげて、
「こいつア弱った。こう見えても、わたしは信心のいいほうなんですが、いっこうに御利益がありません」
とど助も、弱った声で、
「いかにも珍である。こうまで精を出して、ただのひとりの客がないというのは、実に異なことだな」
「澄ましてちゃいけません、とど助さん。けさの八ツから空ッ風に吹きさらされ、おまけに形のあるものはなにひとつ咽喉を通していないんだから、くたくたのひょろひょろ、棒鼻にもたれてようやく立っているというばかり、ひでえ悪日もあるもンだ」
「その点は、わしも同様。けさからなにも食しておらんので、空腹でやりきれん。なんとかならんものであろうかの」
「わたしに相談しかけたってしょうがない」
「しからば、だれに相談するとか」
「なにをゆっくりしたことを言ってるんです。ひょっとすると、こりゃ、晩まであぶれですぜ」
「どうも、弱った、弱った」
仙波阿古十郎、一世一代の大しくじり。喰い意地を張ったばかりに、女賊の小波にうまくしてやられ、金蔵破りの張り番をしたという眼もあてられぬ経緯。
……性来下司にして、口腹の欲に迷い、ウマウマ嵌められました段、まことに面目次第もこれなく、……というお役御免の願書をたたきつけて、とめる袂をふりきって北町奉行所をおンでたまでは威勢がよかったが、そういつまでも部屋にばかり