Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.819 caratteri · 26 schermate
こいつの背中の下に配布触れの一両小判が一枚おちていたんです。……この秋ごろから京大坂にしきりに鉛被せがつかわれるんですが、そりゃア、どうやらみんな江戸から流れ出して行くのらしいんです」
アコ長は、ふうんと言ってなにか考えこんでいたが、唐突に、
「おい、ひょろ松、お前そこにその贋金を持っているか」
「へい、持っております」
「ちょっと見せてくれ」
受けとってつくづくと眺めていたが、
「なア、ひょろ松、お前、上方で贋金のことをたぬきと呼ぶことを知っていたか」
といった。
翌日から豊島ガ岡の原っぱで奇妙なことが始まった。
どう渡って来たのか、蝦夷から来た『えぞたぬき』という変った狸がこの原へ住みつき、毎夜奇妙な狸囃子をするというのでたいへんな評判。
山の手はもちろん、はるばる日本橋、浅草のへんからも弁当持ちで老若男女がつめかけ、この広い原っぱは身動きも出来ないような大混雑。物売り、露店なども出るという繁昌ぶり。
なるほど、そろそろと陽が暮れかかると、草のあいだでテコメン舞か正殿鎌倉によく似たなんともおもしろい狸囃子がテンテテンテケレツとはじまる。
ところで、裏へまわって見ると、叢の中で、ステテンテンと、夢中になってやっているのは、実はアコ長ととど助、それに神田のひょろ松の三人。