Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.819 caratteri · 26 schermate
ころがっているわけにもゆかない。
なんとか食の途をあけようと思っている矢さき、ふと居酒屋で知りあった雷土々呂進。どうせ世をしのぶ仮りの名だろうが、このご仁も喰いつめてテッパライ。盃をやりとりしているうちにひどく気があって、
「どうでしょう、ふたりで辻駕籠でもやってみたら、なんとか喰いつなげるかもわかりません」
「面白い、やりましょう」
で、始めたやつ。
空ッ脛だけが元手の朦朧駕籠屋。
親方もなし、駕籠宿もなし、したがって、繩張りなんてえものもない。
縁日、縁日をたよりに、きょうは白金の辻、明日は柳原堤と、風にまかせて流して歩き、このへんと思う辻々で客待ちをする。気楽は気楽だが、やっぱり法にかなってないとみえて、あまりパッとしない。
辻のせいばかりじゃない、月ぎめ銀二朱で借りた見るかげもない古四ツ手。
垂れはちぎれ、凭竹は乾破れ、底が抜けかかって、敷蒲団から古綿がはみだしている。とんと、闇討にあった吉原駕籠の体たらく。
おまけに、駕籠舁がいけない。
アコ長のほうは、ごぞんじの通り、大一番、長面の馬が長成の冬瓜をくわえたような、眼の下一尺二寸もあろうという不思議な面相。