Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.248 caratteri · 27 schermate
……男はいいが、なにしろまだ部屋住で、小遣いが自由にならねえから、せっせと通っては来るものの、千賀春はいいあしらいをいたしません。……ところで、こちらは、そのころは、朝ッぱらから入りびたりで、さんざ仲のいいところを見せつけるから、それやこれやで、たいへんにあッしを恨んでいるということでございました。……ところで、忘れもしねえ、今月の三日、芝口の露月亭へまいりますと、その晩の講談というのが、神田伯龍の新作で『谷口検校』……。宇津谷峠の雨宿りに、癪で苦しむ旅人の鳩尾と水月へ鍼を打ち、五十両という金を奪って逃げるという筋。帰ってから、手をひいて行った婢の話で、二側ほど後に角太郎さんがいて、まるで喰いつきそうな凄い顔をしていたと言っていましたが、ひょっとすると、その講談から思いついて……」
「……なかなか、隅におけねえの……按摩鍼などをさせておくのは勿体ねえようなもんだ」
ひょろ松は、大仰にうなずいて、
「ところが、角太郎を叩いて見ると、その通りだったんでございます。……杉の市がうるさくつけまわして困る。すっぱりと手を切るから、手切金の五十両、なんとか工面をしてくれと千賀春にいわれ、のぼせ上って前後の見境もなく親爺の懸硯から盗みだして渡したが、手を切るとは真赤な嘘。