Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.028 caratteri · 30 schermate
石口十兵衛は、実直にうなずいて、
「いかにもその通り、手前の心痛もひとえにその点にかかわりますので、なんとかして一日も早く探しだしたいと存じ、なにか手がかりでもと、萩之進の屋敷にまいりまして、文庫、手筥などを探しましたところ、江戸洲崎へ行くという意味の書きおきがござりましたので、間をおかず出府いたしまして、とるものもとりあえず深川へまいり、洲崎一帯を手をつくして探しましたが、いっこうそれらしい手がかりもなく、すでに今日で十二日、むなしく踵をへらして駈けまわるばかり。いまだになんの吉左右もございません。ところがいっぽう、数馬どののほうも、どこから洩れきいたか、萩之進が江戸へ落ちたということを探りだし、江戸一といわれる南町奉行所の控同心、藤波友衛に意を通じてしきりにこれも行方をさがさせているという噂。……御承知のとおり藤波というのはいかにも辛辣果敢な人物。手前のほうは老人のよぼけ足でとぼとぼと探しまわっているのに、むこうは二百三百という下っ引を追いまわし網の目を梳くように洗い立てております。これでは、とうてい勝負にはなりませぬ話。せっぱつまったその末、失礼もかえりみず突然、推参いたしたような次第、なにとぞ御諒察」