Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.028 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

とほんとした顔で、

「よくわかりませんねえ。……い、いったい、いつのこってす」

「そうさ、ちょうど六ツ半ごろのこってさ」

シャッキリとなって、

「そ、それならば、よく覚えております。……その節、手前、浄るりをうなっておった」

「あっしの数えたところでは、たしかに二十四挺だったように思うんですがねえ」

「さ、さよう。……いかにも、二十四挺。なぜかと言いますと、そのおり二十四孝をさらっておりましてね、それで、はっきり覚えております。ひッ」

「たしかに、二十四挺ですかい」

「たしかに、二十四挺。門帳をお見せしてもよろしい。たしかに。ええ、たしか、たしか……」

とうとう、つぶれてしまったのを素っ気なく見すてて、奥まった衝立のうしろへ入りこみ、紙と筆を借りて、なにかこまごまと書きつけ、封をして、それを胴巻の中へ落しこむと居酒屋を出ていった。

それから小半刻。藤波のすがたが御徒士長屋のうしろのほうへ現れる。ソロソロと駕籠部屋のあるほうへ進んで行って、長いあいだ、軒下の闇の中へしゃがんでいたが、あたりにひとの気配のないのを見さだめると、ツと曳戸のそばへ行く。腰にはさんでいた手拭いを天水桶にひたしてしめりをくれると、それを角錠の受に巻きつける。