Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.022 caratteri · 36 schermate
「うむ……それにしても、そのような曲者がお沢を襲うようでは、何者かがその双生児の秘事を洩れ知り、捨蔵さまとやらを訊ね出して、何事か企てようとしているのにちがいありませんな」
祐堂和尚は、うなずいて、
「訝しいのは、前の大老水野越前、あれほどの失政をしてお役御免になったにかかわらず、十カ月と経たぬそのうちに、将軍家じきじきのお声がかりで、またその職に復したという事実。その理由は家慶さまのほか誰一人知らぬ。まことに以て訝しい次第。……この見当はあたらぬかも知れぬが、ひょっとすると、あの佞奸の水野が、最近に至って双生児の秘事を聞き知り、それを種に、上様に復職を強請したというようなことだったのではあるまいか。……果してわしがかんがえるようなことであって、捨蔵さまを水野に捜し出され、その腕の中に抱えこまれるようなことになったら、水野はどのような思い切ったことをやり出そうも測られぬ。……頼みとはこのことじゃが、どうか水野より先に捨蔵さまの居所を捜し出して、この書状をお渡しくだされ。……この書状には、そなわらぬ大望にこころを焦すはしょせん身の仇。浮雲の塵欲に惑わされず、一日も早く仏門に入って悠々と天寿を完うなされと書いてある。