Classici giapponesi con furigana
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かお
顔
宮本 百合子
Leggi 顔 (かお) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.099 caratteri · 23 schermate
娘共はずるく牒し合わせ、わざとのろのろ暇をかける。フランツが手を怠(だる)くして枝を離すと、彼が余り早く手離したと云って怒った。怒りながらふきだした。
虫食いの不具な果でもつかむと、彼女達は、
「いやなフランツ! 虫っくい」
と、彼にその果をぶっつけた。
はははは。もっとぶっつけろ、もいだ胡桃をみんなぶっつけろ! フランツは樹に登るぞ。彼は登った。乾いて好い匂いのする葉の間へ本当に隠れた。そして、ばらばら枯れ葉をお下髪(さげ)の頭にふるい落す。
が、またいつの間にかするする裏板から辷り降り、上ばかり見上げている娘達の鼻先に、ばっさり好い枝を引き下げて、愕かすのだ。
楽しい胡桃山の上に日が移った。
樹々が長い濃い影を地に落す時刻になると、再び村長の杖が皆をかり集めた。
若い者達は、村まで歩いて帰ることになった。荷馬車は村長と胡桃を載せて、謝肉祭の山車のように列の真中に割り込んだ。
フランツはエルンストに会い、暫く彼と一緒に歩いた。
山合いの曲った草道を抜けると、路は、なだらかな傾斜の耕地に出た。遙か遠くに村の教会の塔が見え、頂の十字架が、西日でキラキラ燃えるように光った。