Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふううのばんのこぞうさん

風雨の晩の小僧さん

小川 未明

Leggi 風雨の晩の小僧さん (ふううのばんのこぞうさん) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5030 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

」

母と娘は、戸外に叫ぶ雨風の音に耳を澄まして、火鉢のそばでお話をしていました。それは夜の八時ごろでありました。

隣のペスが、垣根の内からしきりにほえているのが聞こえます。この犬は、知らぬ人を見るとよくほえる犬で、いつか郵便屋さんが、手紙の配達ができないと怒っていたことがありました。その後、しばらく鎖でつないであったが、またこのごろは、放しておくようであります。

「よくほえる犬だこと、なににほえているのでしょうね。」と、かね子は、読んでいる雑誌から目を上げて、外のけはいを聞き取るようにしていました。

「あの犬がいると用心はいいけれど、外を通る、なんでもない人までが迷惑しますね。」と、お母さんは、娘が正月に着る赤い色合いの勝った衣物を縫いながら、おっしゃいました。

「ごめんください。」

このとき、玄関のあたりで、小さい声がしました。その声は、雨風の音に、半分消されてしまったのです。

「だれかきたのでない?」

「どなた!」といって、お母さんは、立ち上がられました。かね子は、全神経をお母さんの足音の消えていく方へ集めていました。

「まあ、この雨に、とどけていただいたのですか、すみませんでしたねえ。