Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かぜ

風

壺井 栄

Leggi 風 (かぜ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.702 caratteri · 78 schermate

Aozora Bunko

茂緒はのぼせてきて、くるしかったが、扶佐子や多枝は、けっこう楽しそうだった。

空いたテーブルにかけさせられても、茂緒はしゅうし木偶のようにだまっていた。だまっているあいだに、みんなの話から、修造たちがもうここを立ち去ったことも分かった。やがてまた扶佐子たちと一しょにそこを立つと、にぎやかな歌声が靴音にあわせておこった。

リアリアリーア

リアリアラー

それはもう、さっきからくりかえされ、節をおぼえた歌だった。外に出てやれやれと思うと、こんどはまた別のところへいった。つれがひとりふえていた。コール天のズボンにエンジ色のビロードのロシア服をきた女のような顔をした男だった。長髪もおかっぱにしていた。四人は喫茶店に入り、コーヒーを注文した。小さなテーブルの上に、茂緒をのけた三人は額を集め、小声で話していた。

――ほんとうをいいますとね、ぼくは扶佐子さんも多枝さんも愛してるんです……。

茂緒は聞こえないような様子をするのに苦痛を感じた。逃げだしもならず、ひとりコーヒーをのんでいた。そこを出ると、また別の店に入った。そこにも別の知りあいがいて、茂緒はまた紹介された。