Classici giapponesi con furigana
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かぜ
風
壺井 栄
Leggi 風 (かぜ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.702 caratteri · 78 schermate
よく極めもしないで、不遜にも茂緒は、だんだん幻滅を感じだしていた。そこへ同郷の倉島兼次が現われなかったなら、何かのはずみで修造にまで、もっともっと愛想をつかしたかもしれない。それは最近、修造がいつも世話になったという姉から、ふたりの結婚に反対らしい手紙をよこし、それを茂緒に見せなかったからでもあった。しかしその手紙を茂緒は見てしまったのだ。修造が銭湯に出かけた留守の間に、おかず代をさがして何気なくオーバーのポケットに手を入れると、そこにあった。偶然のことであった。手紙には、茂緒の古い痛手をさかなでするようなことが書いてあった。茂緒がはじめて娘らしく胸をもやしたことのある、そしてはかなく水をかけられた灯台守の森田とのあいだに、子供までできかかっていたという噂があるというのだ。修造の友だちである倉島兼次とまで、何かややこしい関係があるらしいというのだ。事実無根のこのざん言に、かっとなり、茂緒は、じっとしていられなかった。倉島はどうだか知らぬが、茂緒にとって倉島は修造の幼な友だちであり、茂緒と仲よしの咲子の恋人だっただけである。修造が帰るなり、茂緒は突っかかっていった。