Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
かぜ
風
壺井 栄
Leggi 風 (かぜ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.702 caratteri · 78 schermate
「姉さんの手紙、みたわ。」
「…………」
「どうして、わたしにかくすの。どうしてわたしにきかないの。」
「おれには分かってたからさ。」
「分かってれば、見せたっていいでしょ。倉島さんなんて、大っきらいなのに。」
「森田の方はそうじゃないというのか。」
茂緒はもう、ものをいう気も失せ、ひとり泣いた。まさか今さら嫉妬だとは思わぬが、修造だとて、同じような経験のあったことを知ってもいたし、おたがいに痛手をもつ過去に一応の線をひいて、立ち入らぬことを暗黙のうちに約束していたのに、ぬけぬけと男は女をせめ、あなどり、さげすんでいるのを感じた。
そんなことがあって間もなく、倉島はとつぜん上京してきたのだった。茂緒はさすがにバツがわるく、言葉少なく接した。
「四五日、泊めてくれるかいや。」
彼は修造にむかって、いつもの田舎言葉まるだしでいった。
「いいよ、四五日でも十日でも。」
傷病兵の倉島は月額四十円の恩給と鉄道パスをもっていて、今では結核も一応の落ちつきをみせ、生活のうえでも一応の安定をもっていた。療養中にはずっと小説をかいていて、そのいくつかを持って上京したのだった。
「読んでみて、くれいや。