Classici giapponesi con furigana
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しょくま
食魔
岡本 かの子
Leggi 食魔 (しょくま) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.911 caratteri · 74 schermate
青蝋燭の部屋、新しいものに牽かれる青年や、若い芸術家がこの店に集ったことは見易き道理である。この古都には若い人々の肺には重苦しくて寂寥だけの空気があった。これを撥ね除け攪き壊すには極端な反撥が要った。それ故、一般に東京のモダンより、上方のモダンの方が調子外れで薬が強いとされていた。
鼈四郎はこの店に入浸るようになった。お互いに基礎知識を欠く弱味を見透すが故に、お互いに吐き合う気焔も圧迫感を伴わなかった。飄々とカンのまま雲に上り空に架することができた。立会いに相手を傲慢で呑んでかかってから軽蔑の歯を剥出して、意見を噛み合わす無遠慮な談敵を得て、彼等は渾身の力が出し切れるように思った。その間に狡さを働かして耳学問を盗み合い、※(「てへん+宛」、第3水準1-84-80)ぎ取る利益も彼等には歓びであった。鼈四郎が東洋趣味の幽玄を高嘯するに対し、檜垣の主人は西洋趣味の生々しさを誇った。かかるうち知識は交換されて互いの薬籠中に収められていた。
いつでも意見が一致するのは、芸術至上主義の態度であった。誤って下層階級に生い立たせられたところから自恃に相応わしい位置にまで自分を取戻すにはカンで攀じ登れる芸術と称するもの以外には彼等は無いと感じた。