Classici giapponesi con furigana
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しょくま
食魔
岡本 かの子
Leggi 食魔 (しょくま) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.911 caratteri · 74 schermate
とうとう彼は雑談の環の中から声を皮肉にして詰った。夫人が童女のままで大きくなったような容貌も苦労なしに見えて、何やら苛め付けたかった。
夫人はちょっと無礼なといった面持をしたが、怒りは嚥み込んでしまって答えた、「いいえ、だから、わたくしは、何も必要のない方にやれとは申上ちゃおりません」鼈四郎は嵩にかかって食ってかかったが、夫人は「そういう聞き方をなさる方には申上られません」と繰返すばかりであった。世間知らずの少女が意地を張り出したように鼈四郎にはとれた。
一時白けた雰囲気の空虚も、すぐまわりから歓談で埋められ、苦り切り腕組をして、不満を示している彼の存在なぞは誰も気付かぬようになった。彼の怒りは縮れた長髪の先にまでも漲ったかと思われた。その上、彼を拗らすためのように、夫人は勧められて「京の四季」かなにかを、みんなの余興の中に加って唄った。低めて唄ったもののそれは暢やかで楽しそうだった。良人の画家も列座と一しょに手を叩いている。
すべてが自分に対する侮蔑に感じられてならない鼈四郎は、どんな手段を採ってもこの夫人を圧服し、自分を認めさそうと決心した。