Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あめだま

飴だま

新美 南吉

Leggi 飴だま (あめだま) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 990 caratteri · 2 schermate

Aozora Bunko

春のあたたかい日のこと、わたし舟にふたりの小さな子どもをつれた女の旅人がのりました。

舟が出ようとすると、

「おオい、ちょっとまってくれ。」

と、どての向こうから手をふりながら、さむらいがひとり走ってきて、舟にとびこみました。

舟は出ました。

さむらいは舟のまん中にどっかりすわっていました。ぽかぽかあたたかいので、そのうちにいねむりをはじめました。

黒いひげをはやして、つよそうなさむらいが、こっくりこっくりするので、子どもたちはおかしくて、ふふふと笑いました。

お母さんは口に指をあてて、

「だまっておいで。」

といいました。さむらいがおこってはたいへんだからです。

子どもたちはだまりました。

しばらくするとひとりの子どもが、

「かあちゃん、飴だまちょうだい。」

と手をさしだしました。

すると、もうひとりの子どもも、

「かあちゃん、あたしにも。」

といいました。

お母さんはふところから、紙のふくろをとりだしました。ところが、飴だまはもう一つしかありませんでした。

「あたしにちょうだい。」

「あたしにちょうだい。」

ふたりの子どもは、りょうほうからせがみました。飴だまは一つしかないので、お母さんはこまってしまいました。