Classici giapponesi con furigana
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くびちょうだい
首頂戴
国枝 史郎
Leggi 首頂戴 (くびちょうだい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9756 caratteri · 20 schermate
徳川天一坊の行列である。
淀川堤へかかった時だ、山内伊賀之助上流を見た。
蒲鉾小屋が立っている。
「ははあきれだな」と呟いたが、何となく不安の表情が、チラチラチラと眼に射した。
「荊軻の賦した易水の詩、そいつを残して立ち去った乞食、鳥渡心にかかる哩。荊軻は失敗したのだからな。そうだ刺客を心掛けて。秦の始皇帝を刺そうとして。……勿論我々の企ては、将軍を刺そうというのではない。いやむしろあべこべだ。将軍になろうとしているのだ。しかし危険という点では、荊軻の企ての夫れよりも、より一層いちじるしい。……易水の詩! 失敗の詩! どうも幸先がよくないなあ」
こんな気持を感じたのは、伊賀之助としては始めてであった。
「ナーニ何うだって構うものか、どうせヤマカンでやっていることだ。成功しようと思うのが、元々間違いといっていい。だがそれにしてもその乞食に、逢えなかったのが心残りとはいえる」
下座触制止堂々と、行列は先へ進んで行く。
「九分九厘成就と思っていたが、何んだかあぶなっかしくなって来た。弱気というやつだな、こいつは不可ない! どうでも追っ払ってしまわなければならない……一番俺にとって致命的なのは、曾て一度も狂わなかった、自信のある眼力の狂ったことさ。