Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うまのあし

馬の脚

芥川 竜之介

Leggi 馬の脚 (うまのあし) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.968 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

それからほんの一瞬間、玄関の先に佇んでいた。が、身震いを一つすると、ちょうど馬の嘶きに似た、気味の悪い声を残しながら、往来を罩めた黄塵の中へまっしぐらに走って行ってしまった。……

その後の半三郎はどうなったか? それは今日でも疑問である。もっとも「順天時報」の記者は当日の午後八時前後、黄塵に煙った月明りの中に帽子をかぶらぬ男が一人、万里の長城を見るのに名高い八達嶺下の鉄道線路を走って行ったことを報じている。が、この記事は必ずしも確実な報道ではなかったらしい。現にまた同じ新聞の記者はやはり午後八時前後、黄塵を沾した雨の中に帽子をかぶらぬ男が一人、石人石馬の列をなした十三陵の大道を走って行ったことを報じている。すると半三郎は××胡同の社宅の玄関を飛び出した後、全然どこへどうしたか、判然しないと言わなければならぬ。

半三郎の失踪も彼の復活と同じように評判になったのは勿論である。しかし常子、マネエジャア、同僚、山井博士、「順天時報」の主筆等はいずれも彼の失踪を発狂のためと解釈した。もっとも発狂のためと解釈するのは馬の脚のためと解釈するのよりも容易だったのに違いない。