Classici giapponesi con furigana
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うまのあし
馬の脚
Leggi 馬の脚 (うまのあし) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.968 caratteri · 23 schermate
」
年とった支那人は気の毒そうに半三郎を見下しながら、何度も点頭を繰り返した。
「それはあるならばつけて上げます。しかし人間の脚はないのですから。――まあ、災難とお諦めなさい。しかし馬の脚は丈夫ですよ。時々蹄鉄を打ちかえれば、どんな山道でも平気ですよ。……」
するともう若い下役は馬の脚を二本ぶら下げたなり、すうっとまたどこかからはいって来た。ちょうどホテルの給仕などの長靴を持って来るのと同じことである。半三郎は逃げようとした。しかし両脚のない悲しさには容易に腰を上げることも出来ない。そのうちに下役は彼の側へ来ると、白靴や靴下を外し出した。
「それはいけない。馬の脚だけはよしてくれ給え。第一僕の承認を経ずに僕の脚を修繕する法はない。……」
半三郎のこう喚いているうちに下役はズボンの右の穴へ馬の脚を一本さしこんだ。馬の脚は歯でもあるように右の腿へ食らいついた。それから今度は左の穴へもう一本の脚をさしこんだ。これもまたかぷりと食らいついた。
「さあ、それでよろしい。」
二十前後の支那人は満足の微笑を浮かべながら、爪の長い両手をすり合せている。半三郎はぼんやり彼の脚を眺めた。