Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Leggi 高野聖 (げかしつ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.264 caratteri · 104 schermate

Aozora Bunko

しかもわが口よりして、あからさまに秘密ありて人に聞かしむることを得ずと、断乎として謂い出だせる、夫人の胸中を推すれば。

伯爵は温乎として、

「わしにも、聞かされぬことなんか。え、奥」

「はい。だれにも聞かすことはなりません」

夫人は決然たるものありき。

「何も痲酔剤を嗅いだからって、譫言を謂うという、極まったこともなさそうじゃの」

「いいえ、このくらい思っていれば、きっと謂いますに違いありません」

「そんな、また、無理を謂う」

「もう、御免くださいまし」

投げ棄つるがごとくかく謂いつつ、伯爵夫人は寝返りして、横に背かんとしたりしが、病める身のままならで、歯を鳴らす音聞こえたり。

ために顔の色の動かざる者は、ただあの医学士一人あるのみ。渠は先刻にいかにしけん、ひとたびその平生を失せしが、いまやまた自若となりたり。

侯爵は渋面造りて、

「貴船、こりゃなんでも姫を連れて来て、見せることじゃの、なんぼでも児のかわいさには我折れよう」

伯爵は頷きて、

「これ、綾」

「は」と腰元は振り返る。

「何を、姫を連れて来い」

夫人は堪らず遮りて、

「綾、連れて来んでもいい。なぜ、眠らなけりゃ、療治はできないか」