Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Leggi 高野聖 (げかしつ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.264 caratteri · 104 schermate

Aozora Bunko

内儀は白糸の懐に出刃を裹みし片袖を撈り得てて、引っ掴みたるまま遁れんとするを、畳み懸けてその頭に斫り着けたり。渠はますます狂いて再び喚かんとしたりしかば、白糸は触るを幸いめった斫りにして、弱るところを乳の下深く突き込みぬ。これ実に最後の一撃なりけるなり。白糸は生まれてよりいまだかばかりおびただしき血汐を見ざりき。一坪の畳は全く朱に染みて、あるいは散り、あるいは迸り、あるいはぽたぽたと滴りたる、その痕は八畳の一間にあまねく、行潦のごとき唐紅の中に、数箇所の傷を負いたる内儀の、拳を握り、歯を噛い緊めてのけざまに顛覆りたるが、血塗れの額越しに、半ば閉じたる眼を睨むがごとく凝えて、折もあらばむくと立たんずる勢いなり。

白糸は生まれてより、いまだかかる最期の愴惻を見ざりしなり。かばかりおびただしき血汐! かかるあさましき最期! こはこれ何者の為業なるぞ。ここに立てるわが身のなせし業なり。われながら恐ろしきわが身かな、と白糸は念えり。渠の心は再び得堪うまじく激動して、その身のいまや殺されんとするを免れんよりも、なお幾層の危うき、恐ろしき想いして、一秒もここにあるにあられず、出刃を投げ棄つるより早く、あとをも見ずしていっさんに走り出ずれば、心急くまま手水口の縁に横たわる躯のひややかなる脚に跌きて、ずでんどうと庭前に