Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おに

鬼

江戸川 乱歩

Leggi 鬼 (おに) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.138 caratteri · 60 schermate

Aozora Bunko

男の呼出状でございます」

母親はそんな風に云って、切手の貼ってない一通の封書をさしだした。

「使が持って来たのだね。誰がこの手紙を娘さんに渡したのか、傭人達を調べて見ましたか」

予審判事の国枝氏が、物やさしく尋ねた。

「ハイ、それはもう充分調べたのでございますが、妙なことに、誰も知らないと申すのでございます。ひょっとしたら、娘が門の所に出ていた時、直接手渡して行ったのかも知れませんでございます」

「フム、そんなことだろうね。ところで、あなたは、この手紙の主に心当りでもありますか」

「イイエ、親の口から申すのも何でございますが、あれに限って、そんなみだらなことは、これっぱかりもございません。この手紙の男も、決して前々から知っていたのではなく、上手な呼出文句に、ついのせられたのではないかと存じます」

で、その呼出状の文句というのは、左の様な至極簡単なものであった。

今夜七時、お宮の石燈籠のそばで待っています。きっと来て下さい。誰にも云ってはいけません。非常に非常に大切な用件です。

Kより

「この筆蹟に見覚はありませんか」

「一向心当りがございません」

「鶴子さんは、大宅村長の息子の幸吉君と許婚になっていた相ですね」