Classici giapponesi con furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Leggi 魔像 (まぞう) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 131.494 caratteri · 260 schermate
もう一度、川柳子曰く……跫音のたびに湯殿で嫁しゃがみ。
その、世にも恐るべき跫音が、ゴソリ、焚口の前でしたから、ハッ! とした園絵が、本能的に小さく屈み込むと、
「御新造さま、ぬるくァござんせんか。ちっと焚べますべいか」
あの喬之助の刃傷以来、難を恐れて暇を取って行った召使いの中で、たったひとり残って家事の面倒を見ていてくれる若党忠助の声なので、園絵は安心をして、
「いいのよ。くべなくてもいいわ」
何だかモダンガールみたいな口調だが、とにかく、当時の言葉でそんな意味のことを言う。白髪あたまで若党とはこれいかに?――とでもいいたい老僕忠助、行ってしまった。
あとで園絵。
町人は町人並に、このわたしさえどこか町家へでもお嫁に行っていたら、四方八方、こんな迷惑は掛けなかったのであろうに。思えば、名あるお武家さまを縁者に持ちたいなどと大それた望みを起したお父つぁんやお母さんが恨めしい。しかも、こういうことになってからというものは、この上のかかりあいを恐れて、三河町からは足踏みは愚か、フッツリ、便りさえないではないか。お父つぁんと言いお母さんといい、あんまりといえばあんまりなしうち……娘ごころは、ひたむきである。