Classici giapponesi con furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Leggi 魔像 (まぞう) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 131.494 caratteri · 260 schermate
な、わかったか。解ったらさ――」
「いいえ! わかりません!」
「お妙、てめえ今日はどうしたというんだ!」
「親分さん!」茶の間から喬之助の声が聞えた。「何かお取込みのようですが、御迷惑なら、あっしはまた出直して来てもいいのでごぜえます」
「なあにネ、ちょいとこいつに、使いに行けと言いつけているところなんで、直ぐそっちへ行くから」
すると、この時、何を思ったか、娘のお妙が大声を張り揚げて言ったのだった。
「お父つぁんは、あたしに、お前さまのことで自身番に訴え出ろと言って、肯かないのでございます」
「これッ! 何を言う!」
壁辰は、猿臂を伸ばして、娘の口をふさごうとした。お妙はよろめいた。ガタガタッ! と棚へぶつかって、皿小鉢が落ち散った。
しイん――と静寂。
茶の間では、すッくと起ち上った喬之助が、手早く帯を締め直している。いつの間に抜き放ったのか、冷々たる九寸五分を口にくわえて。
お妙は、父親の手を振りほどこうと、必死にいた。
四
もう仕方がない。
客の男に知れてしまえば、これまでだ。真っ正面からぶつかって、手捕りにしてくれようと、壁辰はお妙を離して、閉め切ってある台所の板戸に手をかけた。