Classici giapponesi con furigana
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ましょうのおんな
魔性の女
大倉 燁子
Leggi 魔性の女 (ましょうのおんな) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9898 caratteri · 20 schermate
すみません。お疲れのところを余計なこと云って、お気にさわったらごめんなさい。では私はお先へ寝みますから、御宴会のつづきでも考えて、思い出しながらお飲みになって下さい」
安子は襖をぴしゃりと閉めて出て行った。宴会のつづきでも考えて――、と云われた言葉が頭に残って気になった。
「お疲れのところ、と、云いやがった」
本庄は低声でつぶやきながら、襖越しに彼女の方を睨んだ。
二本しかないビールを奇麗に飲んでしまって、床に就いたのは何時だかわからなかったが、眼が覚めた時には安子はいなかった。出かけてから大分時間がたっていたとみえて、朝飯の仕度は茶の間の卓上に出来て白いレースの覆いが被ぶせてあったが、今朝焚いた御飯もすっかりさめて、味噌汁は水のようだった。朝飯を終って、お茶を飲みながら、何気なしに、妻の机の上を見ると、いつもきちんと片づけてあるのに、今日に限って、家計簿も出しっぱなしになっている、日記帳の上には万年筆もころがっている。
「ほう。女房の奴、日記なんかつけてやあがるのか、生意気な――」
本庄は安子がどんな事を書いているか、こっそり見てやろうと思った。
「女房の日記なんてものは、およそくだらない。