Classici giapponesi con furigana
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かいじんじゅうまんかん
魯庵の明治 山口昌男、坪内祐三編
内田 魯庵
Leggi 魯庵の明治 山口昌男、坪内祐三編 (かいじんじゅうまんかん) di 内田 魯庵 (うちだろあん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.671 caratteri · 55 schermate
鼠のような頭の□□は益々ガチ/\していたが、ガチ/\は同じ平生のガチ/\であっても、其のガチ/\の底に陰気の音が籠っていた。総支配人は平日に無い靴を穿いていた。『△△さんの靴は初めて見た、』と暢気な観察をする小僮もあった。黒い髯で通る○○は露助然たる駱駝帽を被って薄荷パイプを横啣えの外套の衣兜に両手を突込みの不得要領な顔をしていた。白い髯で通る社長老人は眼鏡越しに眼をパチ/\して、『私の家へは店から火事だと電話が掛った。処が中途でプツリと切れたので、直ぐ二十八番を呼出そうとすると、丸善は今焼けてるという交換局の返事だから、そりゃ大変というので……』と、恰も一里も先きに火事があったように悠々閑々と咄していた。
只見ると、持出された書類函が重なって、中から帳簿が喰出していた。四方が真黒に焦げたカード箱が投出されてる傍には、赤く焼け爛れた金庫が防火の功名を誇り顔していた。四隅が焦げたカードやルーズリーフや書類が堆かく一山になっていた。
『何時ごろ?』『四時半ごろ。』『火許は何処?』『富田のアイロン場。』――と、誰が誰に話すのか解らぬが其処此処で聞えた。中には百遍も繰返したものもあったろう。