Classici giapponesi con furigana
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とり
鳥
横光 利一
Leggi 鳥 (とり) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.228 caratteri · 30 schermate
Qとの穏やかな交際が続けられた。私は第三紀層の調査にかかるとQはますます深く層位学の方へ這入っていった。しかし、このわれわれの交友期間の静けさは河水を挟んで屹立している岩石のようなものであった。水は絶えず流れていたのだ。私をも感動せしめるQの美徳と才能とは二人の間を昔から流れていたリカ子にだけ映らない筈はないのである。間もなくリカ子の心はQの幻想の為に日々私を忘れ出した。これをいい換えると、その最初に私に身を与えたリカ子の中からデアテルミイの効力がだんだん影を潜めて来始めたのだ。機械と一緒になって彼女を征服していた私が機械から去られると、それに代るべき何ものかを彼女に与えなければならなくなったのだ。しかし、私にはそれが何ものであるか分らなかった。初めの間は私はリカ子のそれが頭脳の成長だと思って忍んでいた。所が彼女はだんだん私を突き除けるばかりではない。一言の争いにも彼女はしまいにQの名を出し、独りいる時は絶えず紙の上へQの名を書き、睡眠の時の囈言にもQの名を呼び始めた。私は彼女のそうすることには嫉妬を感じないばかりか良人の友人を愛することは最も良人を愛する証拠であり最も気品のある礼譲だとさえ思っていた。