Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate

Aozora Bunko

悪いやつは悪用して、神まします眼の前で、盆莚をしいたり、女をかどわかしてきたり、果ては、絵馬や、御神体まで担ぎだしてしまうけれど、辻堂は依然として存立し、草ぶき屋根の朽ちるまで、道の辺の神としての功力を少しも失わない。

そこで、

「ああ、くたびれた」

と、お米は、軽く膝を叩いた。

もう猫間川はすぐそこだ。その川向うの小橋在に、万吉がいるということを、かの女は、とうとうつきとめてきたらしい。万吉は深く自分の境遇や心もちを知らないから、お吉のように、弦之丞の居所を知っていて隠すようなことはしまいと考えている。

「わたしも、こんどはずいぶん苦労をした……。それで、あの方に会えないくらいなら、死ぬのは嫌だ、自暴になって――アアきっと自暴になって、どんな妖婦にでもなるだろうよ。酒、男、したいほうだいな世を送って、血を吐いて、死ぬだろうよ」

白い花がハラハラと落ちてくる。桜のように、こびりつかない藤の花。

「嘘ばかりついている――まだしおらしい娘か、善人ぶっているからおかしい」とお米は、自分で自分を嘲ってみた。

「もう、わたしという女は、りっぱな妖婦になっているのじゃないか。